
お風呂にゆっくりつかると疲れが取れたり、快眠が得られたりと、 とても気持ちいいですよね~。実はこれ、何となくそう感じるといっ たことではなく、身体を温めるとヒートショックプロテイン(HSP) というタンパク質が体内で産生されるからだといわれています。

臨床工学科 副科長
大田 真
HSPを効果的に産生する入浴法5つのポイント
Point 1
入浴前、脱水予防として 水分補給!
入浴前、脱水予防として 水分補給!

Point 2
お湯の温度は40 ~ 42℃ が最適
お湯の温度は40 ~ 42℃ が最適

Point 3
入浴時間の目安は、40℃ で20 分、41℃で15 分、 42℃で10 分
入浴時間の目安は、40℃ で20 分、41℃で15 分、 42℃で10 分

Point 4
入浴後は体を拭き取り、 すぐに服を着ましょう(体 温を37℃以上に保つこと が重要)
入浴後は体を拭き取り、 すぐに服を着ましょう(体 温を37℃以上に保つこと が重要)

HSP は48 時間(2 日)でピークに 達し、72 時間(3 日)で消失しま すので、毎日行う必要はなく、週に 2 回程度行うことをお勧めします。

※ご高齢の方、心疾患、高血圧の方などはご注意ください。
※サウナは様々な種類があり一概にはいえませんが、重要なのは体温 38℃をこえて、その後、37℃以上で10 ~ 15 分保温することです。
【参考】ヒートショックプロテイン入浴法 – HSP 研究者 伊藤要子
※サウナは様々な種類があり一概にはいえませんが、重要なのは体温 38℃をこえて、その後、37℃以上で10 ~ 15 分保温することです。
【参考】ヒートショックプロテイン入浴法 – HSP 研究者 伊藤要子
あの病気にも使われている?!温熱効果について
HSP について上述しましたが、身体を温めることで得られるその他の効果として、疼痛緩和、代謝亢進、筋肉や 関節の伸長性増大、血行促進、自己免疫力の活性化などがあげられます。そして2 人に1 人が罹患し、3 人に1 人の死亡原因とされる“ がん” に対しても、温熱効果があるとされています。
がん温熱療法「ハイパーサーミア」について
今から1 世紀以上も前、「熱でがんが小さくなった」という事実が知られるようになりま した。がんの患者さんが感染症に罹患して高熱を出した後、がんが自然に小さくなる例が 見つかったのです。これを期に、細菌や薬剤を用いて意図的に体内の温度を上げる研究が 始まり、1984 年に電磁波を体外から照射し、がんを温める装置が開発され、国内で治療 が開始されました。これが、がん温熱療法(ハイパーサーミア)です(保険適用)。がん治 療は、外科的治療・化学療法・放射線治療が一般的で、ガイドラインに準じた標準治療を 行うことが推奨されますが、中には標準治療が困難な患者さんも見受けられ、こういった 方に対し、北斗病院では、がん温熱療法(ハイパーサーミア)と化学療法・放射線治療・ 高気圧酸素治療を加えた、集学的治療(マルチモーダル療法)を行っています。
