循環器内科 遠田です。この度北斗病院にて心血管・不整脈センターを開設することとなりましたので、よろしくお願いします。
心血管・不整脈センターの開設の経緯ですが、元々北斗病院にもハートセンターがあったそうですが、そのメンバーのほとんどの先生が2018年に退職されたそうです。そのため、北斗病院の循環器診療が一時十分にできない状況になってしまいました。
病院側の努力で、2019年より北里大学より新たに心臓血管外科チームが来ることとなり、新たな心臓血管外科診療が開始されました。循環器内科部門はしばらく人がおらず、残った数人で診療を続けているという状況が続いていました。病院としては循環器内科診療を新たにまとめる人材を全国で募集をかけていたようで、私に人材派遣会社経由で声がかかりました。私は卒業後、東京女子医大病院循環器内科へ入局し、以降東京女子医大病院と、その関連施設の循環器センターに勤務していました。北斗病院の状況を初めて聞いた時には、循環器診療をまかせてもらえ、信頼できる心臓外科もあると言うことだったので、子供たちも親の手を離れる年代になったこともあり検討することとしました。

東京育ちの私が北海道へ来たのは大学時代にみつばち族といわれるバイクでのツーリングが初めてでした。当時、北海道の大自然に圧倒され、とほの宿といわれる安い宿を転々としながらツーリングしていました。そこで出会った北海道の人たちに優しくされ、医大生であることを伝えると、北海道は医者が少なくて困っているから、いつかは北海道に来て欲しいというようなことを言われていました。医師となって定年退職までの残りの数年を、この北海道で今までの自分の経験を活かして、循環器診療が自分中心に構築できるということで2020年に赴任することとなりました。しかし、このタイミングで世界中にコロナが蔓延し、通常の診療もままならないようになりました。こちらに来たらいろいろ考えていたこともなかなか進まない状況でした。しかし、十勝の医療状況を把握することもできました。循環器診療の高度な治療、不整脈治療など、札幌の病院まで受けに行かれる方が多いことも分かりました。

2023年になり、コロナが落ち着きましたので、北斗病院の新たな循環器診療に力を入れたいと思います。まずは、人手がいなくてできていなかった、クリニックでの初診外来を始めることからスタートします。当院では心臓外科手術を始め、狭心症、心筋梗塞、下肢動脈閉塞など、あらゆる心臓血管疾患に対応可能ですし、また、私が主に診療していた不整脈に関して、アブレーション治療やペースメーカー、除細動器治療など十勝でもあまりやられていなかった治療に関しても受けられることを分かっていただけるように心血管・不整脈センターと命名させて頂きました。
北斗病院の循環器治療は新たに生まれ変わりますので、ご期待頂ければと思います。