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ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)導入後の 上肢運動機能改善についての報告



十勝リハビリテーションセンターでは、重度上肢麻痺で困っている患者様の機能改善を目的として「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」を用いた手指リハビリテーション機器(LIFESCAPES医療用BMI手指タイプ、株式会社LIFESCAPES)を2023年9月に導入しました。

Brain-Machine Interface




実際のBMI装置を用いた練習ですが、患者様の頭にヘッドセット、手にロボットを装着します。そして手を動かす際に生じる脳からの信号をヘッドセットが検出し、正しい信号の場合にはロボットが電気刺激を行いながら手を動かしてくれます。このように脳の命令でロボットを操作する練習を反復することで、麻痺で手が動かない患者様でも、脳から正しい命令が出ていることがわかります。また、脳からの命令に同期して麻痺した手も動くので、脳と手の新たな神経回路の構築につながることが期待されています。

  • BMIによるリハビリの概要

脳内で障害が起こり、信号が伝達できない状態。


脳の信号を受けたBMI装置が、 手に装着したロボットで体を動かす。


麻痺した箇所とは違う神経回路が構築され体を動かす。

  • 上肢機能の改善がみられました
当院のBMI導入前後で1 ヶ月の上肢運動機能(上肢FMA検査)の改善を26名の患者様(BMI導入前:13名、BMI導入後:13名)で比較しました。その結果、BMI導入前は平均2.85点の改善だったのに対して、BMI導入後は平均8.85点の改善とBMIを併用した方の上肢機能に大きな改善がみられました。
FMAとは上肢運動機能、下肢運動機能、バランス、感覚、 関節可動域、疼痛からなる脳卒中の総合的な身体機能の評 価のことをいいます。

BMI導入前後1ヶ月における上肢FMA検査の比較
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