CTってすごい!
診療画像科 池田 美沙希
レントゲン検査とCT検査どちらも放射線を使って検査しているのはご存じでしたか?
この2つの検査の違いは画像の見え方です。レントゲン検査は放射線を1方向から照射し2次元画像が得られるのに対し、CT検査は体の輪切り画像(断層像)や3D画像を作成することができます。
優れた画質の256列CT
CT装置といっても古い装置から最新式の装置まで種類がたくさんあります。そこで注目してもらいたいのがCT装置の名前にある「○○列」という数字です。この数字が大きいほど撮影時間が短く、画質が良いCT画像が得られます。当院では優れた性能を持つ「256列CT装置」をメインに、計5台もCT装置を保有し、患者さんの検査に使用しています。256列あると、撮影幅がとても太いため、患者さんは少しの時間息を止めるだけで、目標臓器の撮影ができるのです。
こんな画像も作れます
CT検査は、そのまま機械に入り5分程度で撮影ができる「単純CT検査」と、造影剤を使用する「造影CT検査」の2種類に分けられます。造影剤を使用することで副作用(吐き気・かゆみ 等)が起こる可能性がわずかにありますが、血管の病気(大動脈解離・大動脈瘤・冠動脈狭窄 等)の診断にはとても有効です。図①の体の断層像や、図②の骨の3D画像は単純CTで作成することができます。また図③の心臓の3D画像や、図④の大動脈の3D画像は造影CTで作成することができます。造影検査することで図③・④の矢印のように狭窄や瘤の位置がひとめでわかります。
当日撮影可能!
心臓血管外科では狭心症に対する「冠動脈バイパス術」や、裂けてしまった大動脈(解離)を人工血管に取り替える「人工血管置換術」、大動脈瘤に対する「ステントグラフト内挿術」等、手術前の診断や術後の評価に造影CT検査を行っています。
診察の当日に予約無しでCT検査を行うことが可能なため、特に遠方から来られる患者さんには移動の負担を少なくできると喜ばれています。胸の痛み、息切れ、動悸など気になる症状がありましたら、検査目的でも一度受診してみてはいかがでしょうか?