「災害対策」 水も電気も止めません!
施設資材課 池田 陽時
3年前の2018年9月6日3時7分、北海道胆振地方を震源とする大地震が発生し、北海道全域に大規模停電「ブラックアウト」が起きました。大きな揺れで目が覚めた僕は、普段部屋を真っ暗にして寝ているため、TVの小さな赤ランプが点いていないことでやっと停電に気付きました。約2日間続いた停電で、肉はダメになり、冷凍庫の氷は溶け、IHが使えない状況に陥りました。道民はこんな時、肉を無駄にしないよう外でバーベキューをしていましたね。個人的には、人工的な光が無くなって星が綺麗に見えたのが印象的でした。
病院も停電になるの?
一般の家庭では、停電してしまったら照明も点きませんし、お湯を作ることもできません。しかし命を預かる病院のような施設では、長時間電気が止まっては困ります。消防法で停電の際には「1分以内に非常用発電機を立ち上げ電気を再供給すること」が定められています。
北斗病院には計4台の発電機と発電設備があり、30秒以内に電気を再供給することができるようになっています。30秒でも停電は不安ですよね、でもご安心!人工呼吸器などは内蔵バッテリーで2時間程度動かし続けることが出来るのです。
赤・白・黒のコンセント
病院内には白コンセント:一般電源と、赤コンセント:非常用電源があります。
白コンセントは停電になると使えませんが、赤コンセントは非常用発電機が立ち上がれば使えるコンセントです。更に手術中の停電は生命に直結するため、手術室には黒コンセント:無停電電源があります。これは蓄電のバッテリーを用いて、非常用発電機が立ち上がるまでの電気を持続的に供給することができるコンセントです。スマホの電池が切れそうな時に携帯用バッテリーを繋ぐようなものです。
エレベーター 様 様
ブラックアウトの時、エレベーターさえも停止し、全職員で上の階の入院患者さんの食事をリレー方式で運んだことを思い出します。その時にエレベーターの大切さに気が付きました。今では新館と本館のエレベーターに非常発電機回路をつなぐ改造をし、停電時でも1機ずつは動くようにしました。
地下水を使う意味
自衛隊の方たちが、被災地へ水を届けているシーンがよく報道されます。災害の規模や種類にもよりますが、長期にわたる断水も十分起こり得ます。
当院では水道水40%と、浄化した地下水60%を合わせて使用しています。それは、万が一災害が起こった時、特に帯広市の水道供給が止まってしまった際にも、地下水を使用し、病院の水の供給が止まらないようにするための工夫です。もちろん、厳しい安全基準をクリアしており、個人的には市販の水よりも美味しいと思っています。
私たち施設課スタッフは、定期的な電気設備のチェックと毎日の地下水やメーター点検を欠かさず行い、病院の安全を守っています。