(3)<前十字靭帯損傷>

サンプル

前十字靭帯を損傷すると、膝が徐々に腫れて、痛みを伴い運動が困難になっています。
約一ヶ月で痛みは取れますが、適切な治療を行わないと、徐々に痛み・不安定性が出現し変形性膝関節症になっていきます。確定診断はMRIで、損傷(断裂)部を確認します。
治療しなかった場合、数年で軟骨や半月板がすり減っていき、痛みを生じ、徐々に、変形性膝関節症になっていきます。若年者では、スポーツにより、再受傷し損傷が大きくなってしまいます。したがって将来のためにも、診断が確定したら適切な治療が必要です。

手術方法

前十字靭帯損傷の経過

治療法としては、新たに靭帯を再建することが必要です。(関節内の靭帯は切れたところを縫合しても残念ながら、癒合しません。)手術方法は種々のものがありますが、膝の内側の屈筋腱(膝を曲げる腱)を採取して、新たな靭帯を作る方法を行っています。膝靭帯治療の世界的権威である、北大の安田和則教授が開発した解剖学的二重束前十字靭帯再建術という最先端治療の手術術式です。
創は膝蓋骨(おさらの骨)の周りに1cm弱の2カ所と膝下の内側に3-4cmの1カ所の小切開のみです。外観上も目立ちません。1-2週間の入院治療で、退院後は定期的な通院リハビリをおすすめします。手術後3ヵ月は膝装具を装着します。スポーツ復帰は9ヵ月以降を目標とします。