社会医療法人 北斗
社会医療法人北斗精密医療センターは、共同研究先である熊谷総合病院(埼玉県熊谷市)、美原記念病院(群馬県伊勢崎市)と協力し、「どのような患者に、認知リハビリが効きやすいのか」を明らかにしました。認知症や軽度認知障害の治療には、認知リハビリが有効であることが、近年明らかになってきました。しかし薬が効きやすい人と効きにくい人が居るように、認知リハビリも効果が出やすい人もいれば、出にくい人もいます。その効果が事前に予測できれば、より患者一人一人に適した治療計画を立てるのに、役に立ちます。
今回の研究では、軽度認知障害と診断された16人の患者に協力を頂き、約半年間、美原記念病院において通院での認知リハビリを受けていただきました。また認知リハビリ中に、熊谷総合病院において、脳磁図装置を使って、脳の活動を測定しました。
研究の結果、
- 認知リハビリにより、認知機能は改善する
- 従来考えられていたような「治療開始前に、認知機能の低下が大きい人は、認知リハビリの効果は出にくい」ということはない
- 「年齢が高い人ほど、認知リハビリの効果が出にくい」ということはない
- 認知リハビリは、長期間続ける人ほど効果は出やすい
- 短期間で集中的に認知リハビリをやっても、効果はあまり変わらない
- 右の前頭葉の脳活動が活発な人は、認知リハビリの効果の効果が出やすい
ということが分かりました。
これらのことは、患者一人一人に適切な治療を提供する上で、重要な情報です。この研究成果は、国際学術雑誌Agingに、2020年12月07日付で掲載されました。
【関連ホームページ】
https://www.aging-us.com/article/202270
Shigihara et al., 2020, Predicting the outcome of non-pharmacological treatment for patients with dementia-related mild cognitive impairment, Aging (Albany NY). DOI: 10.18632/aging.202270
詳細は下記よりPDFをご覧ください。