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北斗トップ > 当院の対応疾患・治療技術 > 橋本病(慢性甲状腺炎、甲状腺機能低下症)

橋本病(慢性甲状腺炎、甲状腺機能低下症)(はしもとびょう)

甲状腺に慢性の炎症が起こったもので、慢性甲状腺炎とも言います。
女性に多く、30~40歳代に多くみられます。
原因は自己免疫の異常と言われていますが、どのようなきっかけで起こるのか、いまだに明らかになっていません。

■症状

甲状腺全体がはれて大きくなることを甲状腺腫と言います。甲状腺腫の大きさは、ほぼ正常なものから明らかに分かるくらい大きなものまで様々です。超音波検査で「甲状腺腫大」「内部が粗雑」などと指摘されて初めて分かることも多くなっています。

甲状腺機能低下症は、血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態をいいます。橋本病で症状のない軽度の甲状腺機能低下症は約20%、症状のある方はわずか10%です。以下のような症状が出ることがあります。

  1. むくみ
    皮膚を指でおさえても、元に戻るようなむくみが特徴です。全身にあらわれますが、特に起床時に顔、手足がむくみます。むくみによって体重が増えることがあります。
  2. 気力の低下
    ものごとに対する意欲、気力が低下し、疲れやすくなります。すぐに眠くなることもあります。
  3. 皮膚症状
    新陳代謝が低下するため、皮膚も乾燥してカサカサします。汗が少なくなり、髪の毛が減ることもあります。
  4. 寒がり
    新陳代謝が低下し、全身の熱の産生が減り、寒さに弱くなります。
  5. 脈が遅くなる
    心臓の動きが遅くなり、脈の回数が少なく弱くなります。心臓を包む袋(心のう)に水がたまり、心臓が大きくなることもあります。

■検査

  1. 血液検査
    血液中の甲状腺ホルモン(FT3、FT4)濃度と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定をします。そのバランスによって甲状腺機能が低下しているかを判断します。甲状腺に対する自己抗体である抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体の有無を確認します。甲状腺ホルモン値が低い状態が続くと、血中コレステロール値が高くなることがあります。
  2. 超音波検査
    甲状腺の大きさを調べます。

■治療

甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが足りない状態)になっているときには、甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS)を内服して補充します。
甲状腺機能正常の方、内服薬によって甲状腺ホルモン値が正常な方は、日常生活の制限はありません。スポーツや旅行なども問題ありません。
ヨウ素を多く含む昆布を大量に摂取しつづけると、甲状腺機能が低下することがあります。実際にはかなりの大量を毎日継続的に摂食するようなことがなければ、問題ありません。
定期的に検査をして甲状腺ホルモン薬の量を調整することが大切です。

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