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がん温熱療法(ハイパーサーミア)


北斗病院のがん温熱療法

北斗病院では2012年に装置を導入し、様々な癌種に対する温熱療法を行ってきました(保険適用)。現在は、道内のハイパーサーミア認定施設として、年間約1000件の治療に対し、専門資格を有した医師・臨床工学技士が中心となり、高水準な医療提供に努めております。

ハイパーサーミアとは?

がん細胞は熱に弱く、42.5℃を超えると下記の図のように比較的容易に死滅するとされています。これを利用し、がん細胞を選択的に加温するのが、がん温熱療法です。実臨床では、乳癌、甲状腺癌、頭頚部癌の中でも浅在性腫瘍(表面に突出している腫瘍)において、熱による直接的効果が期待されます。一方で、肺癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌といった深在性腫瘍(体の内側にある腫瘍)においては、42.5℃の加温は容易ではなく、比較的得やすい38.5-41℃で得られる、抗がん剤・放射線治療の増感効果を目的とした、がん集学的治療を行っています。

加温原理

患部を二枚の電極で挟み、体外から電磁波を50分間照射することで体の深部を加温します。ここでよく、正常な細胞に悪影響はないのか?42~43℃のお風呂やサウナに入ることで
も同じ効果が得られないのか?といったご質問を受けることが多いのですが、正常細胞は熱が上がると血管が拡張し、血流を増やすことで熱を放散させる働きがあるため通常、42℃まで温度が上がるといったことはありません。
一方、がん細胞では、その働きが著しく低下しているため、温度が上がりやすいといった特徴があります。これを利用し、がん細胞を選択的に加温することが出来ます。また、お風呂やサウナについては、残念ながら体の深部温度を42.5℃まで上げることは難しいとされています。


副作用

電磁波による皮膚表面の熱感(ピリピリ・チクチク)が主なものです。稀に水疱や脂肪硬結(しこり)を起こしますが、いずれも一過性のものです。また50分間加温することで大量に汗をかき、脱水状態となりますので、治療中の飲み物をご準備いただくことを推奨しています。

適応疾患

・口腔がん・食道がん・大腸がん・膀胱がん・咽頭がん・胃がん・子宮がん・前立腺がん・喉頭がん・肝臓がん・卵巣がん・軟部肉腫 他・肺がん・膵臓がん・乳


化学療法との併用

加温することで、腫瘍血管の透過性が亢進され、腫瘍内に取り込まれる抗がん剤濃度が増加し効果が高まります。従って薬剤投与と温熱療法はなるべく近い時間に施行することが望ましいとされています。また、抗がん剤は使用を続けていくと、その薬剤に対する耐性ができてしまい効果が低減しますが、温熱療法はこの耐性を遅延させる働きがあるため、効果のある薬を長期的に使用できる可能性が高くなるとされています。

■放射線治療との併用

放射線の細胞への効果は、細胞内のDNAの障害によるものですが、放射線によりダメージを受けたがん細胞は、それを修復させる働きがあります。温熱療法は、その修復するプロセスを抑制し障害からの回復を阻害することで放射線の治療効果を増強します。また、放射線が効きにくいとされる低栄養で血流が乏しく酸素供給の悪い環境下において、温熱療法はより効果が発揮されるため、相乗効果を得ることができます。
Sakurai,H.,Kitamoto,Y.,Saitoh,J-I.et al.:attenuation of chronic thermotoleranceby KNK437, a benzylidene lactam compound,enhances thermalradiosensitization in mild temperature hyperthermia combined with lowdose-rate irradiation,Int.J.radiat.Biol.81,711-718,2005

■手術との併用

腫瘍が大きく切除困難、あるいは危険なものでは、手術前に放射 線治療・化学療法に温熱療法を併用し、腫瘍を小さくしてから 手術を行うことがあります。

治療スケジュール

抗がん剤との併用では、投薬同日が最も効果的なタイミングとな りますが、それが困難な場合、その前後1日で行うことが推奨さ れます。当日の採血結果や体調不良などにより、抗がん剤の投薬が困難な場合、温熱療法も中止となることがあります。放射線治療では、照射直後で加温し、こちらも出来るだけ時間をあけず連続的に行うことが推奨されています。また温熱療法を行うと、その後72時間、体内で熱に対する耐性ができることから、治療間隔は多い方でも週に1~2回となります。
※この治療では電磁波を照射しますが、放射線とは異なり、身体へ蓄積さ れることでの悪影響はないため、治療回数の上限などはございません。



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