人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)
人工膝関節置換術についてご説明します。
■人工膝関節置換術とは
関節は骨と骨が向かい合い、骨の表面には軟骨というクッションがおおわれています。そのため、痛みなく滑らかに運動することができます。しかし、加齢に伴う変性や外傷などにより軟骨が徐々に擦り減っていき、痛みを生じて、関節の動きが悪くなるのが変形性関節症です。特に荷重関節である膝に多くみられます。
変性の程度が強くなると軟骨の下の骨も変形していき、いわゆる”O脚変形”を呈していきます(逆にX脚変形の場合もあります)。レントゲン上、関節の隙間がなくなっていきます。
人工膝関節置換術前X線
人工膝関節置換術後X線
実際の骨の状態はひどい虫歯をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。歩くたびに激痛が走り、ひどい虫歯で食物を噛んでいるような状態です。
現在のところ、擦り減った軟骨を元に戻す方法はありません。歯で言えば差し歯のように悪いところを削って、新しい人工物をはめ込むのが一般的で、これが人工膝関節置換術です。プラスチックのクッションが人工物の間に介在し、なめらかな新しい関節が完成します。
適切な術後リハビリテーションをおこなうことで、痛みのない歩行が可能となります。