睡眠時無呼吸症候群（すいみんじむこきゅうしょうこうぐん）

1. PSG検査を受けましょう

当院では夕方入院、一泊して頂き、無呼吸の検査をおこなっています。

無呼吸(Apnea)：10秒以上の呼吸の停止
低呼吸(Ｈypopnea)：完全に呼吸が止まっていないが、気流が半分以下の呼吸
無呼吸・低呼吸指数 (Apnea Hypopnea Index: AHI)：1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数

※AHIが５以上で睡眠時無呼吸症候群と診断されます
AHI＝5～15：軽症
AHI＝15～30：中等症
AHI＝30以上：重症

2. PSG検査結果の見方

中枢型無呼吸(CA)：呼吸をつかさどる脳幹部での異常により、睡眠中に無呼吸になるものです。稀です。
閉塞型無呼吸(OA)：睡眠中に鼻づまり、厚くなった軟口蓋（ノドチンコのまわり）や舌のつけ根がのどを狭めて呼吸ができなくなってしまいます。もっとも多いタイプです。
混合型無呼吸(MA)：「閉塞型」と「中枢型」の両方が混在しているタイプです。
低呼吸(HYPO)：空気の流れが減って、閉塞する一歩手前の状態です。

無呼吸などが起こるたびに縦の線が記載されます。
グラフの縦軸は時間（秒）をあらわし線の長さが無呼吸の持続時間を示します。

3. SaO2(血液中の酸素飽和度)と睡眠の様子

呼吸によって酸素が取り込まれているかどうかを確認します。
正常な方は、終夜を通して９０％以上を示します。無呼吸や低呼吸に伴い、この値が睡眠中に何度も低下します。

-血液中の酸素飽和度-

-睡眠ステージ-

Q：どうして睡眠時無呼吸症候群になるのですか？

・舌の付け根に脂肪が付く、舌が大きい、あごが小さい
・扁桃腺が大きい、鼻がつまる
・のどの筋力の低下、舌の付け根が下がる
・首回りが太いなどが原因です

Q：無呼吸低呼吸指数と診断されたらどうしたら良いですか？

・首のまわり、舌の付け根に脂肪が沈着し、のどが狭くなります。体重が増加した方は運動、食事療法などダイエットしてください。5kgやせるとのどの隙間が１mm広がると言われています。減量が重要です。
・飲酒、喫煙はのどや鼻の粘膜を腫らします。できるだけ避けてください。

Q：CPAP（シーパップ）療法はどのような場合するのですか？

・ＡＨＩが４０以上の場合（強く勧められます）
・ＡＨＩが２０以上で昼間の眠気がある場合

Q：どうしてCPAP療法は必要なのですか？

・重症の睡眠時無呼吸症候群では、慢性的な酸素不足になります。
・高血圧、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞などを合併する頻度が高くなります。
・日中の眠気から交通事故や労災事故などを起こす危険性もあります。
・頭痛、いらいら、不眠症もみられます。

Q：CPAP治療器はどうしたら良いのですか？

・病院から貸し出す形となり、月に1度北斗クリニックに通って頂きます。3割負担で6000円程度です。
・器械の値段が高く、メンテナンスの費用もかかるため、個人で購入するよりは通院する方が割安です。

Q：CPAPは一生するのですか？

・慣れるまで時間がかかります。
・一生するわけではありませんが、長く続ける方が多いです。
・太っている方がダイエットに成功してやせた場合、やめることが可能です。

Q：CPAP以外の治療法はありませんか？

・鼻づまりがあれば鼻の治療（鼻炎の薬、鼻の中を広げる手術）があります。
・扁桃腺が大きければ扁桃腺と切除し、のどを広げる手術があります。
・下あごを前に出してのどの隙間を広げるマウスピースを歯科で作ってもらうこともあります。

Q：いびきは小さくなりませんか？

・「いびき」は、のどの狭くなったところ、つまった鼻を空気が無理やり通るときの摩擦音です。
・いびきをかくということは、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすい状態です。

Q：いびきの治療法は？

・仰向けではなく、横向きに寝る。
・鼻づまりの治療（点鼻液、アレルギー性鼻炎の飲み薬）で良くなることがあります。
・体重が増えた方はダイエットしましょう。