社会医療法人 北斗
社会医療法人北斗精密医療センターは、関連病院である熊谷総合病院の整形外科と協力し、「痛み」と「認知機能の低下」に、脳内で関係があることを明らかにしました。
従来より「痛み」と「認知機能の低下」には関係があることは知られており、「慢性的な痛み」は、認知機能のリスクを高めると考えられています。しかしその仕組みに関しては、まだ十分分かっていません。そこで坐骨神経痛に悩み、熊谷総合病院を受診し、ブロック注射による治療を受けた38人の患者にご協力いただき、ブロック注射前の「痛みを感じている状態」と、ブロック注射後の「痛みがなくなった状態」での脳活動の違いを、脳磁図(Magnetoencephalography:MEG)と呼ばれる脳機能検査装置で分析しました。その結果、ブロック前には、前頭葉と右側頭葉に痛みに伴う脳活動が、右側頭葉に認知機能低下に伴う脳活動が認められ、それらの脳領域は、一部重なり合っていました。またそれらの脳活動は、ブロック注射後には消えてしまうことも確認できました。
これらのことから、「痛み」と「認知機能の低下」には確かに関係があることが示され、痛みの治療は、単に痛みの問題にとどまらず、認知症のリスクを減らすためにも重要と考えられることが分かりました。この研究成果は、国際学術雑誌Pain and Therapyに、2020年10月23日付けで掲載されました。
【関連ホームページ】
http://link.springer.com/article/10.1007/s40122-020-00213-0
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